内海まさかず|栃木市議会議員・民生委員会内海成和

議会基本条例

2018.08.31

議会基本条例

 議会基本条例とは、今まで慣例的に行われてきた議会運営を条例に規定して、条例という根拠を持って議会運営を行うための条例です。
 現在、全国でも数少ない条例です。
 この栃木市の条例では、議会が議会報告会を年一回は開催することが義務付けられました。
 実を言うとこれは画期的な内容です。
 今まで議会が「議会」として市民の中に出ていくことはありませんでした。しかし、この条例によって、議会(議員)が市民(自分の支持者でない)の中に、自ら出向いていって説明を行います。
 市民から何を言われるか分からないので、議員は勉強しなければなりません。これは
議員の質が上がると言われています。私は議員の「質」が上がることに大賛成です。
 栃木市では、この条例が2009年3月議会で成立しました。


 
ここではそのエピソードを紹介します。

 
この条例は、各会派の代表が集まり、一年以上をかけて議論し成文化されました。その後、市民団体などとの意見交換会を経て、この議会基本条例を3月議会に上程することが決まっていました。

 しかし、3月議会直前、「保守派の議員が11名が、この議会基本条例に疑問があると集まっている」という情報が入りました。11名と言うと議員の過半数を超えますので、議案が上程されても否決されます。それどころか議案の上程すらできないでしょう。
 どうやら、条例の用語や報告会、効果を問題にしているようです。しかし、一番の問題は、この「議会報告会」のようでした。この中には、今までこの条例作りに参加していた議員や、市民団体との意見交換会で進行役を行っていた議員もいました。一体、どうしたことでしょう。

 この集まりは長時間を要しました。途中、吉田議長がこの会議に呼ばれていきました。
 その場に居合わせた、私や幾人かの議員が、この保守派議員の会議の結果を固唾を呑んで待っていました。
 結果は、議長が何とか説得をし、議会に上程することが決まりました。もう少しで議会に上程される前に、廃案になるところでした。

 私は次のように思います。 
議会が市民の中に出て行くこに、何がはばかられるのでしょうか。市民の前に出て行く自信がないなら議員の資格はないでしょう。